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2014.03.22 キム監督が自ら投資して実現させたフルCGのゴリラがバッターボックスに立つ『ミスターGO!』の舞台挨拶

沖縄コンベンションセンターシアター1でPeace部門の韓国映画『ミスターGO!』が上映されました。
上映後には、キム・ヨンファ監督、応援芸人のトータルテンボスの藤田憲右と大村朋宏が登壇し舞台挨拶も行われました。

同映画はゴリラがバッターボックスに立つという異色の韓国映画。
幼くしてサーカスの団長になった少女リンリンは、仲良しの心優しいローランドゴリラのGOと、ゴリラ語を使ってコミュニケーションをとれる“ゴリラ使い”。ふたりが弱小球団にスカウトされ野球界に旋風を巻き起こすさまを描いた作品です。

迫力満点のゴリラは最高峰のテクノロジーを駆使したフルCGによるもの。
当初はアジアでは制作は不可能と言われたというキム監督でしたが、「アメリカやニュージーランドの有名な会社に依頼しようとした。だが金銭的に厳しくて一度は挫折しかけたが、この作品を撮ることが僕の運命だと感じたので、これまで稼いだお金を投資して制作会社を設立しました。
欧米で同じことをやろうとすると6,000人もの人材が必要になりますが、この会社では200人で同じ成果を出し、結果的に韓国の技術力は飛躍的に向上しました。
今後もアジアでこのような作品が次々に生まれてくると思います」と自信を覗かせました。

さらにキム監督は「本当に大変なことの連続だったけれど、ここで得たものをアジアで分け合いたい。僕も小さい頃から日本のアニメが大好きで、特に『甲殻機動隊』などをよく見ていました。日本の作品から多くを学ぶことができたので、次はアジアのみんなに僕が得たものを届けていきたい」と語ってくれました。

かつて高校球児で今でも野球が大好きな藤田からの「読売ジャイアンツと中日ドラゴンズが映画に登場するのはどうして?」という質問に対してキム監督は、「ドラゴンズにはかつて韓国野球界の至宝と呼ばれたソン・ドンヨル投手が在籍し、ジャイアンツにもイ・スンヨプ選手が活躍していました。
この2球団は韓国人にとっても馴染みのある球団なんです。今でも韓国の選手が日本の球団で活躍していますが、そろそろゴリラが活躍してもいいかもしれませんね(笑)」とコメント。それをうけて木村が「ゴジラ(松井秀喜さん)なら以前、巨人で活躍していたこともありますよ(笑)」と時折ジョークも飛び出し、舞台上も和やかな雰囲気になっていました。

ここでオダギリジョーさんが出演したいきさつについても質問が。
キム監督は、「3年前のカンヌ映画祭で彼と出会い、お酒を酌み交わす機会がありました。そこで彼に次回作についてきかれ、ゴリラが野球をする話だと伝えたら、それをとても気に入ってくれました。今やアジアを代表する俳優であるオダギリさんに直訴されて断る監督がどこにいるでしょう?僕も彼の大ファンなんですよ」と意外な事実を告白。
すかさず藤田が「監督は今夜どこでお酒を飲みますか?一緒に泡盛でも」とキム監督を誘うと、どうやら次回作に出演したいことを悟ったキム監督は「君は豹に雰囲気が似ているから、豹の映画を撮るときにお願いしようかな(笑)」とうまく切り返していました。

初めて来たという沖縄についてキム監督は「アジアにこんなにきれいな場所があるなんてとても感動しています。仕事が忙しくて大変だったけれど、南国の情緒に触れることができて、とても癒されました」ととても気に入ってくれた様子。
続けて「この映画は、誰もが楽しんでもらえるように作りました。人は身近にあるものの大切さに気付かず、手の届かないものばかり欲しがっているように見えます。でも宝石のように素晴らしくて大切なものは、実はいつだって身近にあるものです。
それに気付いたリンリンのように、みなさんも周りを大切に想い、健康で幸せになって欲しいと思っています」と、最後に挨拶をして舞台挨拶は幕を下ろしました。

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