3月22日(土)、那覇市の桜坂劇場シアターAにて本日最初の桜坂映画大学の「僕たちのアイドル科 斉藤由貴が魅せる!伝説のデビュー作」が行われ、『雪の断章 ―情熱―』が上映されました。
上映後には舞台挨拶が行われ、特別講師の斉藤由貴さんをはじめ、なだぎ武、FUJIWARAの藤本敏史、原西孝幸、チュートリアルの徳井義実、福田充徳、椿鬼奴が登壇しました。
司会の福田が「推理的な映画。不思議なシーンがたくさんありますが、全部に意味が込められているんですよね。子供の時にも見た映画ですが、今回は何か悲しかったですね」と感想を言うと、同作品で初主演を飾った斉藤さんが「約30年前の初主演映画ですが、演じていて、とてもたまらない気持ちになり、役柄を飲み込めなかったのを今でも覚えています」と当時の役づくりの思い出を話してくれました。
「どのシーンも印象的ですが、12月の豊平川にずぶずぶ入っていて、体が凍えたのが一番印象に残っています。朝7時から夜7時まで山ほどリハーサルをやって、撮影は8時頃から。リハーサルをやりすぎて、精神状態が普通じゃなく、本番にセリフが出てこないことも度々でした」と、斉藤さんから明かされた撮影エピソードに、登壇者からも驚きの反応が出ました。
さらに撮影時の相米慎二監督とのやり取りを話す斉藤さん。
「監督は、腹を割って人間関係をつくる人ではなく、周りを断ち切って作品をつくり上げる人でした。言い換えればわがままし放題。でも、それが逆に良かった。監督の味ですよね。だから、出演者もスタッフも何を言われても『はい』の一つ返事でやりこなしていました。私は『やってみろ』と言われてやったのに、『ちがう』と言われることなんて、度々でした」と苦笑いしていました。
また、相米監督が亡くなったとき葬式に訪れたと話す斉藤さんは、「なんて子どものような顔なんだろうと思いました。見栄とかじゃなく、映画監督そのもの。それだけのために存在した人だった人だとわかりました」と、ゆっくりとした口調で故人を偲んでいました。
斉藤さん目当てに来場した大勢のお客様で埋め尽くされ大盛況だった桜坂映画大学。撮影時のエピソードが詰まった、笑いと驚きが飛び出す舞台挨拶となりました。