3月24日(月)、沖縄国際映画祭もいよいよ最終日。沖縄コンベンションセンター・シアター3にて、地域発信型プロジェクト『日曜日、すずは口笛を吹いた』(鹿児島県・奄美大島)と『トップ』(北海道・中標津町 計根別)の上映と舞台挨拶がありました。
まずは、鹿児島県・奄美大島が舞台となった『日曜日、すずは口笛を吹いた』の舞台挨拶からスタート。出演者の白石南帆さん、武田幸三さん、監督の古勝敦さんに加え、地域代表の方々が登壇しました。
今回主演をつとめた白石さんは、沖縄県出身で映画初出演で初主演。「初めての映画で主演ということに、驚きとプレッシャーがありましたが一生懸命頑張りました。表情などに注目してもらいたいです」とコメント。奄美の方言も難しかったところを、地域の人々にフォローしてもらいながら撮影に挑んだのだそうです。
奄美の観光大使でもある武田さんは、先生役で出演。「奄美は自然はもちろんのこと、人も優しいので大好きです。また悲しい歴史もある島なので、優しくもあり、自分達で守らなければならないからこそ助け合う“結い”の精神もあって…。そこが魅力ですね」と奄美の魅力を語りました。
この映画は“14歳の恋”を描いた映画で、オファーをもらった武田さんは「自分が中学生の恋人役になるのかと勘違いしそうだった」と語ると、“もし武田さんが恋人役だったら?”という質問に、白石さんは「頼もしいと思います!」と答えると、武田さんは何度も「僕でいいの?」と冗談まじりで返していました。
古勝敦監督は奄美出身。父親が教師で奄美に赴任して来た際に母と知り合って自分が生まれたという背景や、前作を福島で撮影している最中に東日本大震災があった経緯などがあり、“故郷”をこの映画に重ね合わせているとのこと。
また、この映画に出て来るアマミノウサギやルリカケスなどの固有種や、奄美の海や美しい星空など自然の美しさも魅力の映画となっています。
続いて、北海道・中標津町計根別が舞台の『トップ』の舞台挨拶。出演者のくまだまさし、釆澤靖起さん、松田まどかさん、河野智典さん、監督の笠木望さん、そして地域代表の方々が壇上にあがりました。
冒頭から、くまだまさしが「朝一番の映画ということで皆さんの目を覚ましたい」と客席の女性に自分の顔写真のポスターをプレゼント。会場が一気に笑いに包まれました。
「沖縄国際映画祭に向かう飛行機が、吹雪で欠航。なんとか沖縄に辿り着きました」と女優の松田さん。撮影エピソードについては、撮影現場が吹雪ですごく寒かったそうで、養老牛温泉郷が近くにあり、撮影の合間に温泉で身体を温めたのだそうです。すると、くまだが「寒い現場をギャグで暖めましたよ。この場でもやってもいいですか?」と、一発ギャグを披露。寒い中でも、このように和気あいあいと撮影が行われたのだそうです。
また、心温まるエピソードとしては、撮影に協力された地域の方と映画スタッフが恋に落ち、結婚にまで至ったとのこと。客席にいた本人たちを呼び出し、再びくまだまさしが“祝福ギャグ”をプレゼント。フォトセッションも一緒に撮影しスタッフ、出演者陣の仲の良さがうかがえました。
“最後にくまださんからひとネタお願いします”と無茶ブリされるとギャグで応えてくれ、終始くまだまさしワールドに巻き込まれながらも温かい雰囲気の中、最後まで笑いありの楽しい舞台挨拶となりました。