「第6回沖縄国際映画祭」の初日となる3月20日、沖縄コンテンツバザール会場となっている沖縄・那覇市の「沖縄県男女共同参画センター【てぃるる】」で、吉本興業株式会社が新たなアジア戦略を発表。中華圏最大のエンタメ企業との合弁会社設立にあたり、記者会見と調印式が執り行われました。
「沖縄コンテンツバザール」は、日本とアジアのエンターテインメント事業者をマッチングさせ、国境を越えた需要を開拓し、多面的なビジネスにつなげるシステムとして機能させるべく発足されました。
今回、吉本興業株式会社が連携するのは、香港を拠点に展開するコンテンツプロバイダー、メディア・アジア社と、同じく香港に本社を置くコンテンツランド社の2社。
メディア・アジア社は、映画やテレビドラマ、音楽ライブやデジタルコンテンツ制作など、多岐にわたる事業を展開する中華圏最大のエンターテインメント企業。一方のコンテンツランド社は、香港や中国、シンガポール、マレーシア、タイなどアジア各国の大手メディアと強固なネットワークを保有しています。
記者会見では、まず、メディア・アジア社の代表、ゴードン・チャンさんが登壇。今回の合弁会社設立に際して、「吉本興業との協力を非常にうれしく思っております。
私たちは複数のメディアによる、深く、長期にわたる協力を行っていきたい。ともに手を携え、海外進出をしていきたいと思っております」と挨拶しました。
続いては、コンテンツランド社のジョニー・ヨウ社長が登場。会社の事業紹介とともに、今回の合弁会社の設立に先立って、3社と香港の地上波局・TVBとともに制作した、渡辺直美主演のショートフィルム「和田一号(原題:A TIME OF LOVE)」のダイジェストが紹介されました。
最後に、吉本興業株式会社の中国・アジア代表、高龍太郎が舞台上へ。「吉本興業が日本で成功したコンテンツの企画やノウハウを提供しながら、メディア・アジア社とコンテンツを制作し、コンテンツランド社のネットワークやローカライズのノウハウを活かしてそのコンテンツを販売していきます」と、今後の展開を紹介。
さらに、「2020年の東京オリンピックの際に日本のコンテンツが海外に最も注目されるであろうことを見据えて、この3社の取り組みを進めていきます。日本の文化を好きになってくれるショートフィルムや連続ドラマを制作していきます」と宣言しました。
吉本興業は中国、台湾、韓国、アメリカに続き、昨年はタイに支社を設立、シンガポールに駐在員を派遣するなど、近年、中国や東南アジアでの事業展開を進めています。
中華圏や東南アジアに向けてコンテンツの制作、配給事業やプロモーションまでワンパッケージで行うことで、これまでにない規模とスピード感で映像コンテンツのアジア流通に弾みを付けていきます。
最後は、ゴードン・チャン代表、ジョニー・ヨウ社長、そして、吉本興業の大﨑洋社長が壇上で合弁会社設立の契約書にそれぞれサインをして、無事に調印式が終了しました。