行定監督がこの映画を作るきっかけとなったのは、ちょうど2011年の東日本大震災のあと、今後どのように映画を作っていけばいいのかという時期に原作と出会い、「今の時代だからこそ必要だ」と思い、映画化しようと思ったとのこと。
その理由を監督は、「主人公の琴子(こっこ)は、とても生きづらい生きた方をすることが好きな女の子なんだけど、でも、人と人のつながりが大切なんだということをこの映画の中で感じてほしい」と語り、また主人公は芦田愛菜さん以外にはありえなかったのだと話しました。
「主人公のこっこは小学校3年生という設定で、主演を演じた愛菜ちゃんも実際に小学校3年生なんです。今しかいない芦田愛菜をフィルムに収めたいと思ったんです」。
実はこの映画は“小学3年生を経験したすべての大人たちへ”がキャッチコピーで、小3を経験した人たちすべてに心当たりがあるような、心くすぐられるような映画になっているのも見所のひとつです。
しかし収録については、子供扱いは一切なかったといいます。
台本も300回は読み込んだという「女優・芦田愛菜」。
主演をつとめた芦田愛菜さんは、「主人公のこっこちゃんは自分でカッコエエと思ったことは素直にカッコエエと言える子なんですけど、まわりの反応にどこか違和感を持っている。
でもある言葉を通じて、いろんな体験を通じて、友達や家族との関係が、少しだけ変化します。どのように変化するかが、この映画の見所ですよ」と語ってくれました。
そのキーワードについて監督は、「映画の中で『イマジン』という言葉が出てきます。イマジンといえばジョンレノンの名曲を思い浮かべると思うのですが、『イマジンすること』がとても重要で、そのイマジンしているマナちゃんを観て、共感してもらえたらと思います」とのこと。
最後に監督から、「子供時代ってどんどん忘れていくものなんですが、こういう映画を通じて思い出したりとか。
子供の頃っていろんなことを考えていたと思うんですが、ずばり、言い当てていることもあるので、そういう問題提起がこの映画にはあるので、大人にも楽しめる映画だと思います」と締めくくりました。